File 7「ロングレールライフ」

都知事粛清と称し、電磁ドームを展開して都庁を目指すウィルウェアの男・小針。出動した黒騎たちだったが、都の認可が下りず動くことができない。はるかの提案で、都の管轄外である鉄道敷地内を利用した迎撃作戦が始まった!

  • 挿絵1
  • 挿絵2
  • 挿絵3
  • 挿絵4
  • 挿絵5
  • 挿絵6

〜 用語集 〜

コンプレッサーの音
鉄道好きな人の趣味・嗜好は非常に多岐に渡っており、中には音にこだわるマニアも。例えば一部のドイツ製モーターには発車時に独特の音を出すものがあり、その音を聴くためにドイツへ行く人もいる。今回はるかが聴いているのは、空気ブレーキやドア開閉などに使用される空気圧縮機(コンプレッサー)の音。
逆位相高電圧
磁場内において電流が流れる際には力が発生するが、「フレミングの左手の法則」で知られるようにそれぞれの力は直角の関係にある。これを応用して周辺物体の動きを制御するのが電磁シールドだが、ここではその電流の波を打ち消すことで、シールドを無効化している。ボーイング社がレーザーパルスによって衝撃波を緩和する「反衝撃波システム」の特許を取得しているように、物理的な装甲以外での衝撃緩和システムの研究は現在も盛んに行われている。
初代余部(あまるべ)鉄橋
1912年に完成した、山陰本線鎧駅と餘部駅の間を結ぶ橋梁。「余部橋梁」と呼ばれることもあるが、「橋梁」は鉄だけでなく木製やコンクリート製なども含めた「橋」そのものを大まかに指す言葉で、初代が鋼材製だったため「鉄橋」と呼ぶ人も多い。初代の旧橋梁は高さ約40mもある高圧鉄塔のような橋脚が11基連なり、その上に300m以上の鉄橋が架けられ、まるで天空に橋が架かったかのようであった。
航空法第99条の2
航空機の飛行に影響がある恐れのある地域での、ロケット打ち上げなどを禁止する法令。
チキ5500
コキ5500型コンテナ車を改造して作られた、JR貨物のロングレール輸送専門貨車。「チキ」とは材木を意味するTimber(チンバー)の「チ」と、25トン以上積載可能を示す「キ」の意味を持つ。ちなみにこの積載可能トン数は、小さい方から順に「ム<ラ<サ<キ」と表記される。
第3クロスオーバー
線路の分岐器(ポイント)の一つで、「片渡り線」とも呼ばれる。線路が並走する区間で、その間に斜めに1本の分岐が設置されたものを指す。
第6シーサスクロッシング
前記のクロスオーバーに対して、並走区間にX状に交差させた分岐を設置したもの。「両渡り線」とも呼ばれる。
第2シングルクロス
広義にはクロスオーバーと同じ「片渡り線」を指す。
第4転轍機
分岐器を操作するための装置。今は電気式が主流だが、手動式のものも存在する。
ダブルスリップ
「ダブルスリップスイッチ」の略称で、「両渡り付き交差」とも呼ばれる。4基の転轍機を使って、交差する線路のどの方向にでも行けるようになっている。ただしシステムが複雑になるため、メンテナンスは非常に手間が掛かる。
DC
「ダイヤモンドクロッシング」の略称で、交差した線路を指す。
Y字分岐
直線の線路がアルファベットの「Y」の形に、左右同一の角度で分岐した線路。「両開き分岐」と呼ばれることも。
軌条弍号作戦
ホームを加速用のレールとして使い、目標へと突入する作戦。
石北本線常紋峠
北海道の石北本線で、生田原駅と金華駅の間にある。同線でも有数の難所の一つであり、蒸気機関車時代は二両以上の機関車を連結する「重連運転」が行われていた。
DD51(ででごい)
現在も一部継続使用されている、旧国鉄のDD51型ディーゼル機関車。様々な愛称で呼ばれているが、その中では「ででごい」が一般的である。
二重連
複数の機関車を連結してけん引力を増加させるのが「重連運転」で、二両なら「二重連」、三両なら「三重連」となる。通常は前方に複数両を連結するが、先頭と最後尾に連結する場合もある。

各話あらすじ

Introduction - イントロダクション

第三次流砂現象によりその一部が泥濘に沈んだ東京。
復興作業用に作られた、高出力・強化装甲<ウィルウェア>を使った犯罪の増加に対処すべく、警察庁警備局は、その吉祥寺分室に第五特別公安課第三機動強襲室第八係──通称<ダイハチ>を新設した。様々な法的制約としがらみに縛られながら、知恵と勇気と口八丁で凶悪事件に挑む若者達(一部を除く)! 決裁完了、出動せよ!!

Story - ストーリー

花咲里あさみ警部補、本日付で警察庁警備局吉祥寺分室、第五特別公安課第三機動強襲室第八係に配属されました! 私の任務は、増加するウィルウェア犯罪に対し有事に備えて実験的に創設されたこの<ダイハチ>の実態を把握し、存続するに相応しいか見極めて上に報告すること。でも真の目的は、私の手で正義の集団に更生させることよ! こんな強引で、アバウトで、行き当たりばったりで、正義なきやり方、私は絶対に認めません!!