File 12「誰がための秩序」

オロチがミュトスに完全に掌握されてしまった。ミュトスを追うダイハチに、最強のウィルウェアが襲いかかる!

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〜 用語集 〜

最上位権限
日本国内の情報システム、特に国家公共統合情報基盤へとアクセスし、それを管理、改変する権限。通常時は、アクセス権のみに限定されているが、内閣官房長官が保有している。高度に情報化された社会のほぼ全てを自由に改変出来てしまう。
パッチ
コンピュータプログラムを修正や改変するためのデータ。
バックドア
直訳すると「裏口」で、ネットワークやサーバーなどに、正規のアクセスルートを通らず、隠密裏に侵入や遠隔操作するための接続ルートを指す。
空母打撃群
アメリカ海軍の正規空母1隻と、潜水艦も含む5隻から10隻程度の護衛艦艇、補給艦からなる部隊。中小国家の空軍に匹敵する戦闘力を有しており、弾薬の続く限り単独で周辺海域を制圧する能力を持っている。また防御能力にも優れており、撃破するのは極めて難しい。地上攻撃能力や周辺の情報収集力も優秀で、どのような状況にも対応できるようになっている。
アメリカが空母打撃群を向かわせた
アメリカ政府は日本からの連絡が途絶した段階で、日本国内の基地にある軍用回線や衛星情報などから得た情報により、日本政府が深刻な機能不全に陥ったと判断し、日本への「人道的支援」として、空母打撃群を向かわせた。その部隊に対し、日本政府の特使と称する人間からの接触があり、直接アメリカ政府への情報開示を行うとの連絡があったため、特使との接触を最優先にするよう、作戦を変更した。
他国の動き
日本からの連絡が途絶したことで、各国は日本国内にいる外交官や民間協力者など各種の情報提供者との連絡を試みた。しかし彼らとの接触も不可能で、わずかに旧式の無線通信から入ってきたのは、クーデターの発生や大規模災害、危険な流行病の発生といった不穏な情報や、大規模なシステムダウンなどの怪情報ばかりであった。意味のある情報は得られなかった。周辺諸国も国内が混乱しているところが多く、大規模な即時行動は困難であり、かろうじて日本に向けて偵察機や艦船を向かわせて情報収集を試みるのがやっとであった。だが領空に接近した機体に対して、統合自衛隊を中心に自衛隊がスクランブルを実施したため、アメリカ以外は事態を静観するしかなかった。
バーナム暗号
暗号の本文と乱数の鍵を排他的論理和(2つのどちらかが真で、もう1つが偽のときのみ真となる)として、暗号文を作成する方法。正しい暗号鍵を相手に送らなければ解読は不可能だが、その暗号鍵が安全に送れるのなら暗号化する必要はないとして、実用性が低いと考えられている。今回は、二進数で変換した暗号に、もう一度別な乱数鍵をかけて暗号化している。ミュトスと八条の間では、あらかじめ、暗号鍵が共有されていたと考えられる。
ジャミングエリア
有線無線、光などのあらゆるデータ通信を遮断している空間。過去に使用した逆位相装置や各種フィールドなどの全てをつぎ込んで、何とか成立させている。

各話あらすじ

Introduction - イントロダクション

第三次流砂現象によりその一部が泥濘に沈んだ東京。
復興作業用に作られた、高出力・強化装甲<ウィルウェア>を使った犯罪の増加に対処すべく、警察庁警備局は、その吉祥寺分室に第五特別公安課第三機動強襲室第八係──通称<ダイハチ>を新設した。様々な法的制約としがらみに縛られながら、知恵と勇気と口八丁で凶悪事件に挑む若者達(一部を除く)! 決裁完了、出動せよ!!

Story - ストーリー

花咲里あさみ警部補、本日付で警察庁警備局吉祥寺分室、第五特別公安課第三機動強襲室第八係に配属されました! 私の任務は、増加するウィルウェア犯罪に対し有事に備えて実験的に創設されたこの<ダイハチ>の実態を把握し、存続するに相応しいか見極めて上に報告すること。でも真の目的は、私の手で正義の集団に更生させることよ! こんな強引で、アバウトで、行き当たりばったりで、正義なきやり方、私は絶対に認めません!!